バイクライフが個性的な様々な人たち
TSRA代表の上杉智司(うえすぎともじ)さん
■上杉智司さん(44才・公務員)は、二輪車安全運転推進委員会の特別指導員の資格を持ち、TSRA(東海セーフティーライダースアソシエーション)の代表を務める愛知県津島市のライダー。かつてジムカーナで自身のライディングテクニックをがむしゃらに磨き、そしていつしか他のライダーにももっと練習の機会を、と考えるようになった。1992年、「より多くの人にライディングテクニック向上のための場とライダー同士の交流の機会を提供していく目的」で、TSRAを立ち上げた。


「TSRAの原点は、イトモライディングスクールです」。津島市のイトーモータースの客でもある上杉さんは、バイク初心者時代、イトーモータースのライディングスクールでとことん走り込んで腕を磨いたという。当時、そこで反復練習の大切さを学んだ上杉さんは、さらにバイクの練習をする場所を探したが、駐車場を勝手に使うわけにはいかないし、自動車学校のコースは個人では借りられない・・・そこで仲間を集めて協会を作り、自動車学校等のコースを使用させてもらえるよう交渉を始めた。これがTSRAのスタートだった。

▼TSRAの名前を出せば練習場が確保出来るように
最初は仲間内の練習のために揃えたパイロンや計測器等もどんどん充実していき、やがて練習会を行いたい様々なライダーの集まりにTSRAとして機材や人材、そしてノウハウを提供するようになった。「回りに練習の場所や機会が増えれば、自分ももっと走れますから」。そう振り返る上杉さん。やがてTSRAの名前を出せば、信用してコースを貸してくれる自動車学校も増え、TSRAのバックアップを受けた民間の練習会が各地で開催されるようになっていった。「ただ、運営に力を入れていたら、自分が走る機会が逆に減ってしまいましたが・・・」と上杉さんはニガ笑い。

厳し過ぎて誰もついて来なくなった
一見、のほほんとしたムードの上杉さん。代表として引っ張っていくには少々気も優し過ぎる感じ。しかし、「いや〜知っている人は知っているんですが、実はすごく短気で怒りっぽいんです」と上杉さんから意外な返事。自分のライディングに妥協無くやってきたので、他の人もなぜ同じように出来ないんだとつい怒りが爆発。「いろんな考えの人がいるのに、一生懸命やり過ぎて結局みんな疲れてしまった」とTSRA発足当時の苦い体験を語る上杉さん。以来、仲間のスタッフや参加者の気になる行動に対してもぎりぎりまで口を挟まないようにしているとか。

▼いまも夢に出てくる憧れのシーン
TSRAが直接主催する「レベルアップ講習会」でも裏方に徹し、上杉さんがバイクに乗るシーンをまず見かけることはない。本当は一番自分がバイクに乗りたいはずなのだが・・・。「いまも時々夢の中で、ジムカーナ全国大会で優勝して表彰台の上でガッツポーズする理想の自分を見たりします」。そう照れる上杉さん。まだまだ自分のライディングを追求する情熱は冷めていないようだ。今後のTSRAとしては次の若い指導者を育てて、上杉さん自身ももう少しバイクに乗れるようにして行きたいとか。

■TSRAの活動をさらに広げるため、二輪車安全運転推進委員会の特別指導員の資格を取った上杉さんは現在、自分を育ててくれたイトモライディングスクールの講師をしたり、二輪車安全運転愛知県大会の審査員としても活動。「表彰台の上のガッツポーツは夢物語ですが、現実の夢としては、いつか三ない運動をなくせたら、と思っています」。そう秘めた思いを教えてくれた。高校生がバイクを「乗らない・買わない・(免許を)取らない」という三ない運動をなくすには、地域のライダー一人一人の技術や安全意識がレベルアップし、バイクが社会にしっかりと認められなければ・・・そのためにもTSRAと上杉さんの活動はこれからも続く。






●TSRAホームページ
http://homepage1.nifty.com/TSRA/
●取材協力/イトーモータース 愛知県津島市 TEL0567-26-3894
http://www.itomo-jp.com/